不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
まゆこが招いたヒイラギが、障壁に組み込まれてゆくのをぼんやりと見ている。目の前が次第に暗くなってゆくようだった。
彼女の力が消失してゆくに従って、ジリアンを囲っていた木々たちが分解する。
ただでさえ魔物に攻撃されていた樫の木は、役目を負えたと言わんばかりに霧散していった。
「ありがとう……」
呟く。
「マユコっ! 魔法の発現を止めろ。まだ流出している」
駆け寄りながらジリアンが叫ぶ。ルースやエルマがどうにかしようとしたが、彼女の力の流出は止まらない。
死に直面したときが、帰るとき――。
以前考えたことを、いま理解する。彼女も役目を終えたのだろう。運命が追いついてきた。
ジリアンに、魂が抜け屍となるこの身を預けたくなかった。ただでさえ、一人なのに、また別れを告げさせるのか。――できない。
それよりも、元の世界へ帰ったということになる方がまだましだと思える。
帰るはずだったのだから。
彼女の力が消失してゆくに従って、ジリアンを囲っていた木々たちが分解する。
ただでさえ魔物に攻撃されていた樫の木は、役目を負えたと言わんばかりに霧散していった。
「ありがとう……」
呟く。
「マユコっ! 魔法の発現を止めろ。まだ流出している」
駆け寄りながらジリアンが叫ぶ。ルースやエルマがどうにかしようとしたが、彼女の力の流出は止まらない。
死に直面したときが、帰るとき――。
以前考えたことを、いま理解する。彼女も役目を終えたのだろう。運命が追いついてきた。
ジリアンに、魂が抜け屍となるこの身を預けたくなかった。ただでさえ、一人なのに、また別れを告げさせるのか。――できない。
それよりも、元の世界へ帰ったということになる方がまだましだと思える。
帰るはずだったのだから。