不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
 ジリアンはまゆこがなにを考えているのか気にもせず、説明を続けてゆく。

「他にも、決めておいた動作で発動させる場合もある。行使する魔法は小さなものしか指定できない。動作では、誤作動の可能性も出てしまうからな。大抵は攻撃魔法を仕込む」

「そういえば、わたしを召還したときは、床に白い大きな魔法陣があったと思うけど、簡単な魔法ではないということ?」

「そうだ。簡略した言葉で引き出せるほど、〈召喚〉はたやすいものではない。ましてや異世界からとなると……。初めてやったが、成功したのが不思議なくらいだ」

「……初めて? たやすくないの? じゃ、わたしを帰すのは? すぐにできる?」

 テーブルの上に両手の指の先を載せ、乗りだすようにして訊く。

 いきなり本題に入ってしまった。こちらに呼ばれた理由とか、ジリアンの事情とかの前に、帰れるかどうかを知りたかった。

 時間がどんどん過ぎてゆくことに焦っている。

 ジリアンはとても複雑な顔をしたと思う。
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