不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
開いたドアには鍵穴があった。ジリアンは白銀の鍵をまゆこに手渡す。
「この鍵で内側から閉めてくれ。洗面部屋の中にある風呂へ通じるドアも、これで閉められる。おまえがこの鍵で開けない限り開けられない」
鍵は、頭の方が三つ葉の形になっていて、大ぶりな赤い宝石が嵌っていた。
「寝室の大扉の外は衛兵が常時いるから鍵はない。必要なことは彼らに言付けるといい。武力に優れ、わずかでも魔法力を持つ兵たちだ。なにかあればすぐに私に伝わる。安心して眠ってくれ」
「……ほとんどの人が魔法の力を持たないのでしょう? 少しでも持っている者は、とても貴重な人材ではないの? それを二人もわたしに付けてしまって、ジリアンは大丈夫?」
ふっと黙ったジリアンは、まゆこを上からじっとみつめる。やがて口角が少し上がって、笑ったというよりは不敵な表情になった。
「私の心配はしなくてもいい。自分の身は自分で守れるぞ。むしろ、護衛は足手まといになる。大体、三家の当主の一人である私に手を出そうなどと、そんな無謀なこと、普通の者は考えない。……ヴォーデモンとフォンダン以外は、だが」
他の二つの家との確執は根が深そうだ。
「この鍵で内側から閉めてくれ。洗面部屋の中にある風呂へ通じるドアも、これで閉められる。おまえがこの鍵で開けない限り開けられない」
鍵は、頭の方が三つ葉の形になっていて、大ぶりな赤い宝石が嵌っていた。
「寝室の大扉の外は衛兵が常時いるから鍵はない。必要なことは彼らに言付けるといい。武力に優れ、わずかでも魔法力を持つ兵たちだ。なにかあればすぐに私に伝わる。安心して眠ってくれ」
「……ほとんどの人が魔法の力を持たないのでしょう? 少しでも持っている者は、とても貴重な人材ではないの? それを二人もわたしに付けてしまって、ジリアンは大丈夫?」
ふっと黙ったジリアンは、まゆこを上からじっとみつめる。やがて口角が少し上がって、笑ったというよりは不敵な表情になった。
「私の心配はしなくてもいい。自分の身は自分で守れるぞ。むしろ、護衛は足手まといになる。大体、三家の当主の一人である私に手を出そうなどと、そんな無謀なこと、普通の者は考えない。……ヴォーデモンとフォンダン以外は、だが」
他の二つの家との確執は根が深そうだ。