誰からも愛されない

✛✛墓参り


次の日、彩心は秋山と
母のお墓に行った。

彩心は、しばらく母親と
話をしていた。

そんな彩心を少し離れて
秋山は見ていた。

金をもっているから
  親父に近づいたんだ。

親父の近親者を狙って
と、勝手に思っていたが
昨日の紫月や皐から聞いた話しもあり
彩心自身を改めて見ても
そんな女性ではないとわかった。

ふと、彩心に視線を戻すと
怯えたように、逃げるように
母親のお墓からこちらにやってくる

その後ろから
「彩心!!」
と、呼ばれるが
彩心は、振り向く事はなかった。

その人は、秋山が弁護士の中でも
尊敬する才賀先生だった。
「えっ、才賀先生?」
「うん?君は、確か秋山君?」
「はい、秋山です。
彩心さんは、才賀先生の娘さんですか?」
「ああ、で?秋山君が、なぜ、彩心を?」
と、言われて
秋山は、自分の父親から
頼まれた事
昨夜、紫月さんと皐さんと
一緒に食事をしたことを話した。

「えっ、あの秋山さんに?
偉い方に、気にいられて。
私の事も聞いただろ。
私は、最低の父親なんだよ。」
と、寂しそうに言う才賀先生を
見ながら彩心が気になり
先生に
「また改めて。」
と、言って彩心を追いかけた。
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