誰からも愛されない

✛✛偏見


「なにを?聞き捨てならないな。」
「やめなさい。紫月も秋山さんも。
だけど、秋山さんは、
なぜ彩心に対してそうなの?
あなたは、彩心に良い印象を
持っていませんね。
弁護士の先生が、そんな偏見を持つ事は
おかしいのでは?」
と、皐さん。
「そうですね。
俺は、才賀さんに
はじめは良い印象を持っていませんでした。
ですが、今は、偏見は持っていません。
ただ、元から口があまりよくなくて
すみません。
ですが、その弁護士の話は?」
「ああ、紫月が言ったのは、
彩心の父親の事よ。」
「えっ、才賀さんのお父さんは
弁護士さんなんですか?」
と、訊きながら秋山さんは
びっくりした顔をした。

そんな秋山さんを見ながら
皐さんが、
「彩心、よい?」
と、話して良いかと訊ねてきたので

私は、コクンと頷いた。

私の顔を一度みて
皐さんは、母の事と父の事を
話し始めた。

秋山さんは、
「知らなかったとは言え
偏見な目で見ていた、すまない。」
と、私に言うから
「構いません。
私は、人に愛されない事には
なれていますから。」
と、言った。

すると
「「ばかっ、彩心!!」」
と、皐さんと紫月さんに
怒られてしまった。

皐も紫月も
怒りと切なさを
切々と秋山に訴えていたが・・・

その夜は、四人で食べて
飲んで話して・・過ぎて行った。
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