誰からも愛されない

✛✛もう、帰すつもりはない


翌朝、青山支店長に連絡して
お休みをいただいた。

青山支店長からは
「金曜日だから、
月曜に元気な顔を見せてくれ」
と、言われた。

本当にいつも気にかけてもらえて
ありがたいと思っていた。

秋山さんに連絡もして
お話をした。

「奥様には改めてお会いして
          話します。」
と、お伝えした。

秋山さんは、
「悪いが、忍の事を頼むね。」
と、言ってくれた。

忍さんは、検査をして
「明日退院して良い。」
と、先生に言われた。

退院の手続きは、楓さんが
行ってくれて、忍さんと私を
忍さんのマンションに
送ってくれることに。

すると、忍さんが
「楓。
悪いが先に彩心のマンションに寄って。」
と、言うから
「帰れ。」
と、言われていると
思った彩心・・
「はいはい、わかりました。
彩心さん、しばらく分の着替えの
ご用意をお願い致します。
車にてお待ちしてますから。」
と、言うと
「楓は、荷物持ち。」
「なっ、はあ‥‥わかりました。」
二人が勝手に決めていくから
「はっ、えっと、えっ?」
「彩心、まさか僕が帰すと?
取り敢えず十日分の荷物を準備して
楓に持たせて。
本当は、もう彩心のマンションに
返すつもりないけど。
それは、追々にね。」
と、忍に言われて
真っ赤になって行く彩心だった。

やはり‥‥この人に勝つことはないなぁ
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