誰からも愛されない

✛✛買い物に行き心配させた


彩心は、忍に言われたまま用意をして
部屋を出た。

楓さんは、外で待っていてくれた。
「自分で持てるから大丈夫です。」
と、伝えるが
忍さんに怒られるからと
荷物を運んでくれた。

車に二人で乗り込むと
忍は、ニコニコしながら
彩心の手を取り繋いだ。

無事に忍の部屋に戻ると
どこか埃っぽくて
窓を開けて回った。

忍さんには、ベッドに横になるように
言うが、ずっと私について回って
楓さんは、そんな忍さんをみて
呆れながらもホッとした顔で
会社へ戻って行った。

落ちついてから、
忍をベッドに横にして
暫くついていて
寝息が聞こえてから
キャリーから荷物をだして
片付けをした。

それから、冷蔵庫を見て
食べれないものを片付けたり
買い物をリストにして
忍に言ってからと思い寝室を覗くと
忍は気持ち良さそうに寝ていたから
彩心は、安心して買い物にでた。

買い物をしてマンションに着き
鍵を開けると
廊下を走ってくる人の足音に
びっくりしていると
ドタドタと来た忍さんに抱き締められた。

なにも言わずにギュッと
腕に力をいれる忍さんに

「忍さん、心配しました?
買い物をしてきたのです。
言わずに行ってごめんなさい。
寝室を覗いたら忍さんが気持ち良く
寝ていたから、声をかけそびれました。」
と、言うと
「彩心は、悪くない。
   僕が不安になっただけ。」
と、言うから
彩心は、忍の背中を優しく撫で続けた。

暫くして、落ちついた忍は、
彩心の手をとり
買い物の袋を持ってくれて
リビングに行った。
「ご飯の準備しますね。」
と、言ったが
忍は、リビングのソファーに座ったから
そのままにしておいた。

忍は、彩心の側に行って
彩心を抱きしめたり
離れたりを繰り返し
彩心は、終始笑っていた。
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