朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】



「……先に、言わなくちゃいけないことがある」


「なに?」
 

リビング、ローソファ。


土下座したり泣きついたりした場所。


隣り合って座って、流夜くんは私の肩に腕を廻して、私はその胸に頭をあずけていた。


「少し聞き苦しいかもしれないけど……もうすぐ、うちの、神宮の家の事件に動きがある」


「え―――」


「犯人が、捕まるんだ。今、警察は裏取りをしている」
 

犯人、が。


「……流夜くんが二年の間にしてたことって、それ?」


「とは違うんだけど、まあ、少しは関係している」
 

心臓が、一度だけ大きく鳴った。


流夜くんはそれを察してか、私の頭を撫でた。

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