隠れクール上司~その素顔は君には見せはしない~1
花端は私が航平に黙っていると思ったのだろうか。
即怒りと不安が頭に昇り切った美生は、店長室から出ると、更衣室へ向かった。
誰もいないのを確認して、震える手ですぐに電話をかける。
もちろん、航平にだ。
「………」
だが、出ない。平日の14時。忙しいのもかれしない。
美生は、諦めずに「今日会える?」とだけメールをしておく。
すぐに諦めて仕事に戻ろうとした時、スマホが振動し、「今日は南区」とだけ返信があった。東都シティがある中央区から南区までは遠いと車で2時間かかる。
「南区のどこ?」とすぐに打つと、「阿南」とすぐに返ってきた。阿南なら、一番中央区寄りなので1時間強で行ける!!
「泊まり?」と聞くと「そう」。この返信の早さからして、誰かと休憩しながら返事を打ってくれているんだと予測する。
「話したいことがあるから、退社したらそっちむかうね」、と打ってから更衣室を出る。
だが即スマホが振動し、
「相談には乗れないと思うけど」。
その文字を見た瞬間、立ち止まってしまった。
だけど、秘密事を花端が言ってきたという失態を絶対に話しておいた方がいいに決まっているので、「20時に退社したら行くから」それだけ打つ。
「夜は飯行くから無理」どうしても話したくないようだ。だけど
「じゃあ待ってる。明日休みだから」
それを既読したまま、返事は帰ってこなくなる。だけど、こちらが21時半には着くということは伝わっている。
美生はそれ以降メールが来ていないことを何度も確認し、予定通り21時20分には阿南店に到着した。
これから、どうしよう……。お腹も空いたし、今日は色々あったので疲れた。
車の中で寝ようかと、リクライニングさせたところで、電話が鳴る。
航平だった。
『もしもし?』
「も、もしもし、今駐車場にいるよ」
『何……』
心底鬱陶しそうにされる。
「………」
言葉が出なかった。
せっかくここまで来たのに、前回以上にそんなに辛く当たられるとはあまり考えていなかった。
だけど、実際は年末に冷たくされたのが最後だから、それで当然なのだ。
「………ごめん……」
ただ、謝る。
「ごめん、忙しいのに、ごめん。勝手でごめん……」
そういえば航平は営業部長だ。阿南に来たことで、妙に詮索されたりされたら困るのかもしれない。
『それで?』
「それで……。その……会って、話したいことが、あったから……」
『今言ったら?』
「……」
それができたらこんなところには来ていない、ということは分かっていると思う。
「………」
『僕は今から店長と飯行ってからホテルに戻るから。それまで本当に待つ?』
「うん!!!」
大きく返事をする。
『……、南ビジネスホテルのシングルとったから。そこで待ってて』
「え……部屋……」
『今日は大事な話があるから長引くかもしれないし。美生ちゃんも、疲れたでしょ。今日は売上良かったし』
「……うん……」
察してくれることが嬉しくて、涙が出そうになる。
『明日休みだから泊まって帰ったら?』
「……ごめん……」
涙が頬まで流れた。
『関のことは大した相談には乗れないから』
「………うん……」
それは、分かっている。
『23時は回るから。終わったら電話する』
「……うん」
即怒りと不安が頭に昇り切った美生は、店長室から出ると、更衣室へ向かった。
誰もいないのを確認して、震える手ですぐに電話をかける。
もちろん、航平にだ。
「………」
だが、出ない。平日の14時。忙しいのもかれしない。
美生は、諦めずに「今日会える?」とだけメールをしておく。
すぐに諦めて仕事に戻ろうとした時、スマホが振動し、「今日は南区」とだけ返信があった。東都シティがある中央区から南区までは遠いと車で2時間かかる。
「南区のどこ?」とすぐに打つと、「阿南」とすぐに返ってきた。阿南なら、一番中央区寄りなので1時間強で行ける!!
「泊まり?」と聞くと「そう」。この返信の早さからして、誰かと休憩しながら返事を打ってくれているんだと予測する。
「話したいことがあるから、退社したらそっちむかうね」、と打ってから更衣室を出る。
だが即スマホが振動し、
「相談には乗れないと思うけど」。
その文字を見た瞬間、立ち止まってしまった。
だけど、秘密事を花端が言ってきたという失態を絶対に話しておいた方がいいに決まっているので、「20時に退社したら行くから」それだけ打つ。
「夜は飯行くから無理」どうしても話したくないようだ。だけど
「じゃあ待ってる。明日休みだから」
それを既読したまま、返事は帰ってこなくなる。だけど、こちらが21時半には着くということは伝わっている。
美生はそれ以降メールが来ていないことを何度も確認し、予定通り21時20分には阿南店に到着した。
これから、どうしよう……。お腹も空いたし、今日は色々あったので疲れた。
車の中で寝ようかと、リクライニングさせたところで、電話が鳴る。
航平だった。
『もしもし?』
「も、もしもし、今駐車場にいるよ」
『何……』
心底鬱陶しそうにされる。
「………」
言葉が出なかった。
せっかくここまで来たのに、前回以上にそんなに辛く当たられるとはあまり考えていなかった。
だけど、実際は年末に冷たくされたのが最後だから、それで当然なのだ。
「………ごめん……」
ただ、謝る。
「ごめん、忙しいのに、ごめん。勝手でごめん……」
そういえば航平は営業部長だ。阿南に来たことで、妙に詮索されたりされたら困るのかもしれない。
『それで?』
「それで……。その……会って、話したいことが、あったから……」
『今言ったら?』
「……」
それができたらこんなところには来ていない、ということは分かっていると思う。
「………」
『僕は今から店長と飯行ってからホテルに戻るから。それまで本当に待つ?』
「うん!!!」
大きく返事をする。
『……、南ビジネスホテルのシングルとったから。そこで待ってて』
「え……部屋……」
『今日は大事な話があるから長引くかもしれないし。美生ちゃんも、疲れたでしょ。今日は売上良かったし』
「……うん……」
察してくれることが嬉しくて、涙が出そうになる。
『明日休みだから泊まって帰ったら?』
「……ごめん……」
涙が頬まで流れた。
『関のことは大した相談には乗れないから』
「………うん……」
それは、分かっている。
『23時は回るから。終わったら電話する』
「……うん」