秘書課恋愛白書

「ご存知もなにも…ああ、そうか中原さんは知らないのか」


そう言って、室長が少しだけ昔話を始めた。

私が行きつけにしていたBARの名前はRain(レイン)という。


なんでも社長が幼馴染たちと高校時代ヤンチャしていた時から利用していた場所のようだ。

しかもヤンチャなんて可愛い言葉だは片付けられるものでもなくて、ある意味悪目立ちする不良グループで、地方ではそこそこ名の知れたものだったという。


だからあんなにマスターと仲が良かったのかと納得した。

でもあの顔で族とか言われても…と高校時代の社長を想像するも私の想像力じゃムリがあった。


「ちなみに社長の幼馴染ってね。日本でも5本の指に入る名家の御子息たちだよ」

「……その一人に灰田社長という方はいらっしゃいますでしょうか」


またも私の言葉に目を見開いて、そこまで知ってるの?と聞いてきた。


知ってるもなにも…灰田さんは偶然にも2回会ってる。

やっぱりあの人も社長と同じで財閥御子息のボンボンだったのか。
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