秘書課恋愛白書

社長に告白されてる…

社長が私のことを好きだと言った。

あの社長が…まさか。


人から好き、と言われるのがこんなにくすぐったいと思うのはいつ振りだろうか。


「綾女の心臓すごくうるさいね」

「社長が、いきなりそんなこと言うから、です」

「僕のせい?それはよかった」


くすり、と耳元で社長が笑ったのが聞こえた。

首に巻きついていた腕が肩を抱きしめ背中をさする。

私の肩にのしかかっていた社長の頭が起き上がり、真っ直ぐに私を見つめた。

ブルーの瞳が私だけを映していた。



「綾女、まだ僕のこと嫌い?」

「……嫌いでは、ないです」


嫌い?嫌い、ではない。

見つめられるのが恥ずかしくて思わず目を逸らした。

そんな私にこっち見て、と顎を掴む社長によってまたも社長の瞳に捕らわれてしまう。


「じゃあ好き?」

「それは……。わかりません」


好きになりかけている、かもしれない。


そりゃこんな風に抱きしめられて好きだと言われれば、多少はその気になってしまう単純な私も私で。

しかも相手は社長だ。

誰もが憧れる社長に好きだと言われているんだ。
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