秘書課恋愛白書

社長ときたらどこでも御構い無しにこういうことするもんだから本当に心臓に悪い。

追い詰められて、社長の腕の中で暴れる私はどんな風に映っているのだろうか。


「あやめ…」

「んう」


顎を掴まれ強制的に上を向かさせられたと思えば、降ってくるキスの嵐。

優しく啄ばむようなキスから徐々にねっとりとした激しいものへと変わっていく。


なんのためにこんなことをするのだろうか。

社長は何を思って私にキスをするのだろうか。

社長にとってこんなキス、何も意味を持たないのかもしれないけど…

されるたびにどっぷりとハマりそうになってしまう自分を抑えるのに私は必死なのだ。


キス一つで感じないわけがない。

こんな、愛おしいものを愛でるようなキスを落とされ続けてたら、嫌でもオチそうになってしまう。


「んふ…んっ」


漏れる鼻息。

息をする間も与えない丁寧だけど強引なキスが続き視界がだんだんと潤んできて脚がガクガクと震え始める。

ひんやりと何か金属のようなものが首を掠める。

ビクリと体が反応して離れる唇。

はぁはぁと肩で息する私を抱きとめる社長は今どんな顔で私を見下ろしているんだろう。

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