一匹狼くん、拾いました。
俺が欲しかったものは、全部露磨に奪われた。
暴力を振るわれても嫌いになれなかった父さんからの愛も、
仲良くなりかけていた保育園の同い年の子も、
何もかも。
俺はそばにいるくせに守ってくれない露磨が好きじゃなかった。
心のどこかで俺の味方になって欲しいと思ってた。そんな俺は、……ほんの少しだけ露磨に依存しているのかもしれない。
ある日の夕方頃、
門限の時間が迫っていたから、
俺は同い年の奴等と分かれて、急いで家に帰った。
「またなミカー!!」
「うん、じゃあねー!!」
声を掛けられ、俺は元気に返した。