一匹狼くん、拾いました。
俺達は流しを片付けると、
寝室のベッドに二人で座った。
「……ミカ、フードって傷隠し?」
「それも理由の一つ」
俺は素っ気なく応じる。
「……そうか」
仁はただ頷く。
「……仁は、なんで何も詮索しない?」
「詮索して欲しいのか?お前がするなって言ったんだろ」
仁は俺の顔を覗き込みながら言う。
部屋についた小さなライトの光が反射して、仁の顔がオレンジ色に輝いた。
「……いやそうだけど、聞かれなすぎなのは逆に不自然だ」
「……注文が多い同居人だな」
注文が多いって……。
不満げな顔をした俺の肩を、仁は勢いよく叩いた。
「真に受けるな、嘘嘘。
俺の話、聞きたい?」