嘘つきピエロは息をしていない

「私はいっちゃんの彼女役ってことだね?」
「そういうこと」

『恋人を演じることできりに新しいなにかを感じ取ってもらいたいし、俺も役者としても脚本書く上でも成長できそうな気がする』と考えを聞かせてくれた、いっちゃん。

 昔なんとなく遊びとしてやっていた“芝居ごっこ”と違い、演劇部としてお互い成長できるように……という点がなんだかカッコイイと感じた私は気持ちが高まった。

「いつやる!?」
「今から」
「わかった! いっちゃんの家で?」
「いいや、今日は解散しよう。続きは学校で」
「……学校で?」
「もう一度確認しておくが、内藤とはそういう関係じゃないんだろ?」
「うん」
「そうなる予定も、そうなりたいとも思ってないって考えていい?」
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