嘘つきピエロは息をしていない

「西条もブラウニー食べるか?」
「すみません。甘いものは控えているので」
「そうか。モデルという仕事も大変だね」

 体型の維持とか、あの綺麗な歯をキープさせるために甘いものを極力控えたりしているのかな。

「俺から一つ、提案がある」

 腕組みをしている保先生がニコニコしながら話し始めた。

「そろそろ学祭に向けて稽古を始めるだろ?」

「もうそんな時期かー!」

 と、新見先輩。

「そこでだ。夏休み、合宿しよう」

 ――?

「えええ!? 合宿!? たもっちゃんも参加するの?」

 大興奮の新見先輩は、目をキラキラ輝かせている。

「そりゃあな。言い出しっぺが来なくてどうする」
「やったぁー! 絶対いく!!」
「三年は受験もあるしなぁ。あまり時間とれとは言えないが、一週間。せめて五日。どうだ、相川」
「私はかまいませんよ。受験生だろうとそうでなかろうと、やることは毎年変わりませんから。一週間くらいどうにでも空けられます」

 さすが部長。

「安達は?」
「私は塾の夏期講習がお盆あたりは全くないので。そのへんだと助かります」
「なるほど。他のメンバーは?」

 田舎に帰る人も、勉強漬けの予定の人もいなくて、すんなり合宿が行われることが決まった。
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