嘘つきピエロは息をしていない

「来れるかどうか、じゃない」

 保先生の言葉に俯きかけた顔をあげる。

「アイツが来たいかどうか。その意志をお前から確認してみて欲しい」

 ナイキくんの、意志?

「……あ」

 ナイキくんは、いつも、できないっていう。

 放課後残れないからとか、そういう理由で断る。

 ナイキくんの意志は、ないも同然なのかもしれない。

【まあ、頑張れば。俺にしてやれることなんてなにもないけど】

 あの台詞。

 俺はなにもしないって意味じゃなくて。

 したいけど、できないってことだったの?

「もしも吉川がアイツから『合宿に参加したい』って発言をゲットできたら。俺がそれを叶えてやろう」
「ホントですか!?」
「お前なら動かせるかもしれない」
「そうかなぁ」
「ああ。頼んだよ」
「ハイ!! でも、どうやって誘えば……?」
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