嘘つきピエロは息をしていない


「見た目は大人しそうなのに、話すと息継ぎなしにダーッって一気に話しちゃうの。噛まずにスラスラと」
「マシンガントークか。しかも『ござる口調』って。キャラ濃すぎるにも程がある」
「演劇部の素質アリって感じじゃない? きっと見たら忘れられないよー」
「なるほどな」
「……なるほどって?」
「さっき合流したとき顔に『いいことがあった』って書いてあった謎が解けた。それ言いたくて連絡してきたんだな」
「へへ。そうだよ」
「だけどよくそんな個性強いやつ見つけたな」
「ほんとにね! ナイ、トウくんのおかげだよ!」
「……は?」

 うっかりナイキくんと言いかけた。

 ややこしいからはやく正体バラして欲しい。

 時間的にもう一人推薦してもらった白木さんって人とは会うことができなかったから明日A組まで行ってみよう。

 そのときナイキくんに会えたら今日のこと報告して……

 あ、でもみんなの前では話しかけると嫌がられそうだな。

 だったらどうすればいいの?
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