嘘つきピエロは息をしていない

「内藤に紹介してもらったのか」
「うん!」
「やるなぁ」
「内藤くんにも上手く誘えたこと伝えたいのに。捕まえられなかったー」

 聞いてもらいたかったな。

 帰り際にA組をチラっと覗いてきたけれど、一足先に解散して数人しか残っていなくて。

 そこにナイキくんの姿は、なかった。

「放課後忙しいって、なんの用事なんだろう」
「……さあ」
「気になるなー」
「俺も負けてらんねぇな」
「へ?」
「気合い入るわ」
「わあー、すっごく楽しみにしてるね!!」
「ほんと?」
「もちろん! 私はいっちゃんの物語の大ファンだから!」
< 79 / 294 >

この作品をシェア

pagetop