嘘つきピエロは息をしていない

「ありがと。きりにそう言ってもらえると頑張れる」
「私も頑張るねー! 明日もう一人勧誘する!」
「ああ。その人も内藤の紹介?」
「うん! めぼしい人を聞いててね。内藤くん見る目きっとあるからまた個性的な人なんじゃないかって予想してる――」
「きり」
「えっ?」
「やけに内藤と仲いいよな」

 ――え?

「よく一緒にいんの?」

 ナイキくんと私が仲がいいなんて、考えたことがなかった。

 というか、言われてもしっくりこない。

 だってナイキくんが私にアドバイスをしてくれるのは、私が握っている秘密をバラされたくないからだもん。

 その事情を知らないいっちゃんからしたら、仲良く協力し合っているようにみえるんだなぁ。

「初めて見たよ。きりが俺でない男に懐いてるところ」
「な、なついてるかな!?」
「かなり」
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