嘘つきピエロは息をしていない
「白木氏すごくコンピュータとかアニメに詳しくってね。今度舞台にもなったオススメのアニメのブルーレイ持ってきてくれるって」
「別に逐一報告しなくていーから。うまく行ったならそれ聞けただけで俺も……」
『ひと安心だ』って。口走りかけた。
ンな恥ずいこと言えるかよ。
……あっぶねえ。
「えー、でもナイキくんに聞いてもらいたくて」
「ハイハイ」
「いっちゃんには、もういっぱい聞いてもらっちゃった」
――いっちゃん
「……過保護なやつ」
「聞き上手なの。いっちゃんは」
悪かったな俺は聞き下手で。
「A組って勉強一色の人ばかりなのかなって、西条くん以外ノーマークに近かったことに気づいたよ。でも頭のいい人って器用だから趣味も充実してるんだね」
「うちのクラスはガリ勉よりは女に飢えてるのが多いけどな」
「へ?」
「なんでもねぇ」