BLUE GIRL
そもそもRyoがユウの家に押しかけたから私が呼ばれただけで、もう帰った方が良いのかもしれない。
お財布からお金を取り出すと、やっと話しかけてくれた。
「まさか、この日が、こんなにも早く訪れようとは想定外だ」
「この日?」
「おまえが俺を好きだと言ってくれるなんて夢みたいだし、正直、Ryoに打ち明けることもしないと思った。Ryoにはまだ秘密にしておいてと、言われるものかと」
ーー夢みたい。
ユウの口から非現実的なロマンチックな言葉が普通に出るとは少し驚いた。
「夜の公園で私なりに覚悟を決めて、ユウと一緒に生きたいと思ったから。いい加減な気持ちで言ったわけじゃないよ」
「そうか」
「Ryoに隠すことでユウに嫌な思いをさせたくないし、Ryoにも失礼だから」
「そうか」
短い言葉だったけれど、瞳の色は優しく口元は僅かに笑みを称えていた。
「それじゃぁ、俺の最後の決意を。おまえに見せる」
愛用の黒いバッグから手帳を取り出したユウは、中に挟まっている淡いブルーの封筒を机の上に丁寧に置いた。
「1時間後、また部屋に戻ってくる。それを読んでも決意が変わらなければ、ここで俺を待ってて」
「手紙?」
「ゆっくり読めよ」
「待って…」
立ち上がったユウは苦しそうに顔を歪めていて、一瞬にして私を不安にさせた。