BLUE GIRL
「それ、ケーキか」
助手席に置いた私の荷物を見たユウはケーキの箱をとった。
「台無しになってしまいましたけど」
「腹減ってるんだ…誰かの誕生日か」
ホールケーキにハッピーバースデーと書かれたプレートがさしてあったが、そこに書かれた海の名前はぐしゃぐしゃになったホイップクリームで消されてしまっていた。助かった…。
「一緒に誕生日をお祝いする約束だったんだけどね」
「おまえの誕生日ではないんだな?」
「うん、私じゃないよ」
「そうか」
付いていたプラスチックのフォークでユウはホールケーキを食べ始めた。
ユウにケーキなんて似合わない。
「おまえの誕生日はいつ?」
「7月だけど」
「俺が祝ってやるよ」
「高級レストランにでも連れて行ってくれるの?」
「おまえが望むなら」
ケーキを用意した私の気持ちを汲んでいるかのように、ユウは気持ちいいくらい豪快に苺のケーキを食べてくれた。