BLUE GIRL

遊園地で騒ぐ2人を日陰で眺める。

雪乃さんの破顔と、ユウの見守るような温かい笑顔に、本当に当時の2人を見ている気分になった。


「生意気でどうしようもない奴なんですけどね、その演技に目が離せなくなる」


いつの間にか後ろに立っていたユウのマネージャーが日傘を差し出してくれた。


「ありがとうございます」


日傘を受け取る。


「私もユウの演技は好きです」


「本当は甘いものに目がないんですけどね、太ると役が限られるからと我慢するしかない。髪型にも興味がないけれど世間がユウのトレードマークは金髪だと言い切るから、イメージを崩さずに染めて。彼は本気で役者に全てを捧げているというのに、世の中は面白おかしくスキャンダルを作り上げる。ーー私から見たユウは、一生懸命に役と向き合っているだけなんですけどね」


昨日から同じ空間にいても一言も喋らなかったマネージャーの連ねた言葉に頷く。

ユウの1番近くにいて彼を見てきた人。
たぶん誰よりも本当のユウを知っている。


それなら、


「どうして今回の写真、たまたま食事をしていたと弁解しないのでしょうか。マスコミに直筆メッセージまで送って…」


「椎名雪乃だよ。あの子はユウに気がある。手間のかかることになる前に牽制したかったのだろう。前にバラエティーで一緒になった時なんて、お弁当の差し入れやらでユウもまいってたな…」


手を繋ぎ観覧車の順番を待つ2人を見る。

演技でなく椎名雪乃さんは本当にユウに恋しているのだ。

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