王子は冒険者になる!
フランチェスコ第二王子のお披露目会は
大盛況であったらしい。
義兄たちが にやにや笑いながら
どんなに素晴らしかったか、ジョイルに厭味ったらしく
詳細を語った。
諜報部である義父は
身辺調査や 第二王子のお披露目から
警備の強化など忙しそうにしてる。
これでもリザマート家は 結界や呪い返しに強い
暗部のなかでもトップクラスの実力者だ。
ジョイルが フランチェスコ王子と再び勉強で再開したのは
10歳のお披露目会から三か月後であった。
*
「お。久しぶりだな」
久しぶりに会う 王子は相変わらずの笑顔を向けた。
ジョイルは、はい。と
頭を軽く下げて 挨拶を返す。
しかし、そのふわりとした王子のいつもの
笑顔に、ジョイルは ざわりとした 違和感を覚える。
あ、そっか。
いつも 王子が笑うと きらりとした 魔力が漂っていたけど、
それが 安定している。
身の回りを包むように 魔力が漂う。
10歳のお披露目があって、精神的に落ち着いたかもしれない。
さらに 『見る』
フランチェスコ=****=ルアーニル(10)
王族
光の愛子
状態:緑壁の守り
状態:火の守護
状態:魔力隠蔽
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幸運矢印
魅力増大
魅惑笑顔
あぁ、精神が落ち着いてるのがわかる。
スキルがほとんど読み取れないのは 王宮の魔術師が保護と隠ぺいかけているからか。
そんなにすごいスキル なのかな?
一般に魔力は五歳前後で安定する。
ただ 王族であるフランチェスコ王子や第一王子は魔力が多いため
10歳ぐらいに安定するといわれているらしいけど、
ほんとうだなぁ。
以前に比べて すっかり安定している。
しかし、すごいな。
隠ぺいできない 下位スキルでさえ
幸運矢印 じゃないか。自分に優位な事に進めるラッキースキル。
「?どうした?」
「ん。いえ、その。
安定してるなと。」
あ、しまった。
『見て』いたのがバレた?
「安定?」
「す、すいません。フランチェスコ様の魔力が安定してて
スキルも・・・」
「え?ジョイル 解るの?」
「え?王子。恐れながら
私は「リザマート家」の人間ですので。」
魔力を見る、魔力を紡ぐ、魔力を呪う。そんな家系だ。
王子は、そんなこと言ってたっけなぁ。なんて首をかしげながら、
ふふ、と笑う。
ほら、笑っても きらめきがない。
自分で魔力を制御できているからだ。
「無意識に、魅了とか魅力を振りまいてないですし
10歳を迎え、魔力もコントロールしているんですね。」
というと、
王子はびっくりしたように ジョイルを見て
にこーーっと 満面の笑みを浮かべた。
今度は、きらきらっと 魔力が散る。
ジョイルは 少し驚いたように 王子を見る。
「この、キラキラ?
コレって「魅了」とかなの?」
「え?っと、
光の魔力は 少なからずとも魅力的な印象を与えるので
王子の笑顔と合わさって、王子の魅力になるのでは?」
すくなくとも、精神に訴えるものではなく
良い印象を 与えるものだろう。ということを告げると
少し考えるように 王子はうつむいた。
「そうか・・・・。このキラキラ ぎゅーってするとでなくなるんだよな。
それは魔力を自分でコントロールしてるってことだったのか。
いつもは面倒で抑えてなかったけど・・・」
「それが、分かるようになったのは
『精神が安定』なさっているからかと。
・・・・キラキラな魔力が見えないと、不思議な感じですが。」
いつも、王子周りは輝くように魔力が漂っているから
何もないと逆に 違和感だ。
「へー・・・じゃぁ、いつもキラキラしていようかな。
いざというときに すぐに隠れられるように。」
「あぁ、いい手 ですね。
王子の魔力は強くて印象的ですので、それをいつもまとわせていると
それを目印に追いますからね。」
実際 義父もその煌いた魔力は 魅力的だが
目立ちすぎて危険だ とも言ってるし。