あなたと私と嘘と愛
何の心境の変化だろうか?
妙に親しくされ始めてるなと微妙な変化を感じるけれど、私も前みたいに無視することはしなかった。
さすがにあれは私も大人げなかったかなと反省してるし、まぁ、挨拶ぐらいは常識としてね。
一応同居人としてまったく喋らない訳にもいかない。
この時私はそんな理由をつけて優斗の存在を少しずつ自分でも気づかないうちに受け入れ始めてたのかもしれない。
ーーそして約束のデートの時間。
「あ、坂井さん!」
いつもの駅に彼は先に立っていた。
だから心弾むように手を振りそんな彼の元へと駆け寄った。
(あ、髪が短くなってる)
美容院に行ったんだ。今日の彼も素敵だなぁ、なんて思いながら挨拶をする。
「待ちました?」
「……いや、俺も今来たところ」
一瞬目が合ったけど、彼はすぐ腕時計に目を向けた。
「…じゃ、行こっか。今から1時間ぐらいかかるけどいい?」
「大丈夫です。お願いします」