あなたと私と嘘と愛

「坂井さん……」


真剣な真っ直ぐな言葉だった。
見つめ合ったまま動けなくなる。
顔が一気に熱を帯びていき、動揺する私の頬を彼の大きな両手に包まれる。


「大事にします。だから僕と付き合ってください」


ドクンと鼓動が大きく跳ねる。
まるで夢に見ていたような言葉だった。
嬉しい。嬉しすぎる。

だから否定の言葉は浮かばなかった。


「私で…いいんですか?」

「もちろん、亜香里ちゃんがいいんだよ」


落ち着いていた涙が再び目の中いっぱいに浮かび上がる。
ついにこの時が…

坂井さんを見つめたままうっすら笑みを浮かべ、コクリとしっかり頷いた。


「嬉しい。宜しくお願いします」

「やった!」


ぎゅっと抱き締められ感極まわった。
じーんと熱いものが込み上げポロポロと涙を溢してしまった。


幸せだ。
こんな喜びがあったなんて…
坂井さんの背中にそっと腕を回し、この感動を噛み締める。


「今日から亜香里ちゃんは僕のものだから。よろしくね」

「はい…」


私にもようやく春が…
嬉しい。
嬉しすぎる!
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