あなたと私と嘘と愛
「ごめん、僕の早とちりだったんだ」
良かった。信じてくれた。
内心ハラハラしたけど、彼の和らぐ表情を見てホッとする。
坂井さんに嘘をついてしまった罪悪感はあるけれど、今は彼に嫌われたくない一心だ。
「なんか変な誤解をさせてしまってすみません。あの時はちょうど車に引かれそうになって、兄に酷く怒られてて…」
「いや…こっちこそごめん。僕が早とちりしちゃったせいでこんな風に泣かせて…」
坂井さんが申し訳なさそうに頭を下げる。
そして目尻に浮かぶ涙を遠慮がちに親指ですくってくれた。
「本当情けない。…僕さ、けっこう嫉妬深いんだよね。そのせいで今までの彼女にもあなたの愛は重いって逃げられちゃって…」
「そんなっ、今回は私も悪かったので。このままじゃ気まずいしお互い誤解も解けたのでこれでこの話は終わりにしませんか?どうせなら楽しくやりたいし」
「…亜香里ちゃん……」
阪井さんの眼差しが熱いものに変わる。
私を熱烈に見つめたあと、ぎゅっと両手を握られた。
「ありがとう」
「えっ」
「正直マジなんだ。亜香里ちゃんのこと本気で好きだと思ってる。だからこの数日すごい嫉妬して…、もし、こんな僕で良かったらこのまま亜香里ちゃんの側にいさせてくれないかな?」
「え、それって…」
「僕を恋人にしてほしい」