あなたと私と嘘と愛
「…あ、えっと、わたし……」
「こんな真冬にエアコンも付けないでうつ伏せでうずくまってたから凍死でもしてるんじゃないかと思った」
「あ……」
「すげー体も冷えてたし、少し焦った」
苦笑い気味の優斗が髪を拭く手を止めこっちを見た。
私は気まずい顔になる。
どう答えていいか分からず、寝起きの鈍い判断のままとりあえず思い付いたことを言った。
「……この毛布ってあなたの?」
「そうだけど?」
やっぱりそうなんだと思いつつ、急に恥ずかしくなった。
もしかしたら母の物かなとも考えたのだけど。
だとしたらこの香りは優斗のもの?
「あのままじゃ、まじで凍え死にそうだったからね。しかも君の部屋に無断で勝手に入る訳にもいかないし、だから俺の物で一時のしのぎになればいいかと思って」
そうなんだ…と、納得する。
変な心配かけちゃったなと反省し、ここは素直に謝った。
時計を見れば夜中の12時を回ったところだった。
あのまま自分はソファーの上で寝落ちしちゃったらしいと分かった時、優斗に向けてもう1つの疑問が浮かぶ。
「いつ帰って来たんですか?」
「一時間ぐらい前かな」
ぽんぽをと返答が返ってくる。
彼は何を隠すでもなくさらりと答えてくれる。
だからふむふむと相槌をうち、もう一度巻き付けてる毛布を肩より上にずり上げる。