あなたと私と嘘と愛
やっぱりいい、この感触…
(いいな、これ欲しいなぁ)
「それ、あげないよ」
「え?」
「なんか欲しそうな顔してるから」
優斗がふっと笑った。
まさか心を読まれてる?
そんなに分かりやすかった?と思いながらもこの感触はやっぱり病み付きになる。
「あ、じゃあ売ってくださいよ。私買いますよ?」
「そうくるか。でもやだよ。俺も気にってるんだから。それに君、10万なんて払えるの?」
「それならご心配なく。一応貯金はそれなりにあるのでそれぐらいの額なら払えます」
「…それぐらい、ね。さすがお嬢様発言。でも駄目。それは売らないよ」
「…ケチ……」
「それよりも…」
急に真顔になった優斗がこっちへ歩み寄ってくる。
そして言葉を閉ざし、私の前までくると突然同じ目線までしゃがみ込み、至近距離になる。
わっと彼の顔が視界に広がった。
送られる真剣な眼差し。
そして鼻を掠めるシャンプーの爽やかな香り。
その全てを察知した瞬間不覚にもドキッと鼓動が飛び跳ねる。