あなたと私と嘘と愛
「ちょっと触れるよ…」
すると、スッと彼の手が伸びてきた。
じっと見つめられたまま額に温かな手の感触が…
(え……)
わずかに体を硬直させた。
「…あ、の……」
「うん、熱はないみたいだな」
その瞬間意思の強そうな目尻が安心したように下がる。
そして私の反応を見ながらそのまま頭をくしゃくしゃとした。
「君、やっぱり危なっかしいね。もっと自己管理はちゃんとした方がいいよ」
「え……」
「家の中で凍死とか、かなり間抜けだから」
顔が一気に熱くなる。
呆れた言い方なのに、その眼差しは驚くほど優しく異様な艶やかさを解き放っている。
思わず目を奪われる。
きゅっと胸が縮まる思いがして、それから数秒見とれたまま言葉を無くしてしまったのだけど、
「ふ、何固まってんの?」
「へ?」
「俺の話し聞いてる?…まぁ、いいや。とりあえず君も風呂に入ってこれば?今日はとくに冷えるし体の芯まで温めた方がいいんじゃない?」