あなたと私と嘘と愛
そう言われハッと正気に戻る。
慌てて視線を反らし、優斗から離れるように距離をとった。
身体中から響くドキドキに気付かれたくない。
気付かれてないよね?
「い、言われなくてもそうしますっ」
あわてふためく私を見て優斗は特に表情を崩さなかった。
むしろ面白そうに私を見つめてる。
ちょっと、その顔の意味は何?
……変に思われてないよね?
「じゃ…入っといで。その方が君もリラックスできると思うし。色んな意味でスッキリするんじゃない?」
最後の言葉が妙に引っ掛かったけど、それを深く考える余裕はなく私はお風呂場に逃げ込んだ。
どうして、かな。
(調子が狂う…)
あの色素の薄い透き通った瞳に見つめられると、何故か思考が鈍り体の奥がざわざわとする。
変なの。
自分の感情が分からなくなる。
だけど、脱衣所に行き鏡の前で自分の顔を見たとき、私はハッとした。
優斗が言っていた言葉の意味がここでようやく分かったのだ。
(顔がぐちゃぐちゃだ…)
先程の涙で化粧がとれてしまったのか、見るに悲惨なものだった。
目元はアイライナーが滲み、マスカラも取れて涙袋の方にこびり付いている。
おまけに涙のあとまでついており、いかにも私が泣いていたのがバレバレだった。