あなたと私と嘘と愛

(あちゃ~…)

これは変に思うよね?
だからあの言い回し。
優斗が変な気遣いを見せた意味がなんとなく分かってしまった。

(なんか気まずいな…)

こんな私を見てどう思ったのだろう…
ズーンと気が重くなる。


だけど、お風呂から出た私を彼は何も聞かなかった。
むしろいつも通りのマイペースぶりを見せられて、驚くことに自分も食べるからと、お茶漬けまで作って食べさせてくれたのだ。

それがとにかく普通でこっちが困惑し、じろっと観察してしまうほど。


「……あの、何も聞かないんですか?」


だから自分からつい、ぽろっと聞いてしまった。
よーく考えたらこんなに寒い日に電気も付けず、エアコンも付けずにソファーでうずくまってる時点でおかしいのだ。

何かあったんじゃないかとバレバレ。
誰が見たって分かりそうなもの。
なのに、


「何?聞いて欲しいの?」


あっさりしすぎるほど冷静な返しだった。
彼はやっぱり顔色一つ変えてない。


「…え、いや……」

「人間生きてれば色んなことがあるし」


そしてさっぱりしてる。
だけどどこか重みがある言葉だった。
何だか全てを悟ったかの口ぶりに拍子抜けを感じてしまう。

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