あなたと私と嘘と愛

そんな勘の良さにこの時ばかりは感謝した。
そして反省もする。
後で謝らなきゃ…

それから2人は当たり障りなく挨拶を済ませ、何事もなく時を得た。
坂井さんは優斗を兄だと信じてくれた。
このまま部屋に上がっていくのかと思いきや、坂井さんはこれから仕事のようで私の安否確認だけして早々と帰って行った。


(本当に顔を見に来ただけなんだ…)

そして嫉妬深いということを改めて見せられたような思い。


「……お兄さん、ね」

リビングに戻ると優斗の声がボソッと飛んでくる。
第一声がそれだった。
私はギクッと動きを止める

見れば優斗はキッチンに立ち、コーヒーを入れようとするところだった。
顔を上げた彼とバチっと目が合い、気まずさ満点の顔になる。


「えっと、さっきのは…」

「本当、君は予想通りのことしてくれるよね。典型的な単純思考って思ってもいいのかな?」

「それは…」


どういう意味だろう…
苦笑いを見せる優斗に私はかぁと恥ずかしくなる。
その言い方だと全てを見透かされてる感じだ。

私の行動は優斗から見て予想できる範囲なんだろうか?

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