あなたと私と嘘と愛

やっぱり無理、もう坂井さんに対して恋愛感情なんて抱けない。
ひどい拒否反応を感じ、自分でも驚いた。


「うーちゃ……」

「よしよし大丈夫、頑張ったね。でも油断は禁物よ。もしかしたら暫く向こうは帰らずにマンションの外で様子を伺ってるかもしれないし、今日は絶対に一人で外に出ないこと。部屋で大人しくしてましょう」


うんうんと頷きうーちゃんに抱きついた。
うーちゃんは子供をあやすように背中をポンポンとしてくれる。

成人した大人が情けないと思うけど、こうされるとホッとする。
小さい頃もよくこんな風に私を心配してくれた。
今思えば唯一の味方だったと思う。


その日は何事もなく夜が明けた。
複雑な朝だ。

携帯には坂井さんからのおはようメールが入っていたため、悩んだ末絵文字は最後だけ入れて殺風景になりすぎない返事を打つ。
かなり気が重い。

このまま何事もなく別れを切り出せればいいと心から思う。終わらせたい。

そして専門の授業を終えると私はうーちゃんに連絡をし、重い足取りで正門を出る。

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