あなたと私と嘘と愛

もしかしたらずっとここで私が出てくるのを待ってたのかもしれない。
そう思うと恐怖だけが倍増する。

どこに行こうかと言われ、私はここから歩いて行ける近場のカフェを希望した。


「えっとですね、そこの店の苺パフェが美味しいんですよ」

「亜香里は本当にアイスが好きだね」


そう言って誤魔化した。
本当はそこでうーちゃんと合流する予定になっている。
先に店に着いてるだろううーちゃんの近くの席に座る予定だ。

確かうーちゃんは私が分かりやすいように赤のニット帽を被ってきてるはず。
それが目印だ。


「こ、この店です」

坂井さんを連れ店に入る。


(あっ、いた、うーちゃん)

店に入るとすぐうーちゃんを見つけられた。
打ち合わせ通りに赤いニット帽を被り窓際の席にさりげなく座っている。
わりと入ってすぐのとこだった。

その姿を見て安堵する。
幸いなことにお客さんはまばら。ちょうど彼女の後ろの席が空いていた。
だから私は「あの席がいいです」と指名して運良くそこに座ることができた。

彼女の横を通る瞬間お互いに目配せをし、坂井さんに気付かれないよう合図した。

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