あなたと私と嘘と愛
カァ~となった私は咄嗟に右手を口に当てた。
どうしよう…
急な展開に頭がついていかない。
けど、母はもう全て吹っ切れたようで、そんな私達をどうでもいいかのように嘲笑う。
「じゃあね、優斗今まで楽しかったわ。ありがとう」
優斗はただ黙ってそれを聞いていた。
怒ってるのか、悲しんでるのか読み取れない表情で母を真っ直ぐ見返していたが、
母が優斗の横を通り過ぎる寸前ようやく感情のない声で母の手を掴む。
「悠里さん」
「なによ」
「本当にこれでいいんですか?」
「愚問よ」
けど母は、そんな緊迫する空気の中凛として吐き捨てる。優斗の手を振り払った。
もう優斗の存在なんて少しも気にも止めない冷たさに、私の方が胸をぎゅっと鷲掴みにされる。
「…っ…」
酷い…
本当に酷い。
どうしてこんなことができるのだろう…
「も…、嫌だ。大嫌い!」
こんな人が母だなんて…
顔も見たくない。この場にいるのが辛くなり、私はたまらず二人を押し退け駆け出した。
その瞬間優斗と一瞬目が合ったけれど、
部屋を飛び出した私は感情のままに突っ走る。
もう、ぐちゃぐちゃだ。
どうしたらいいのか分からない。