あなたと私と嘘と愛
どこまで走ったのか分からない。
夢中で飛び出した私はいつの間にか川までたどり着いていた。
そこは先ほどまで優斗といた場所で、無意識にこんな所まで来てしまったのかと、不意に感じた足の痛みで我に返る。
「いった…っ」
しかも裸足だった。
正確には靴下は履いてたものの、来る途中の石や砂なので擦れ、所々が破けてる。
そこから怪我をしたようでピリッとした痛みが襲う。
(…も、嫌だ…)
そんな痛みを堪えながら目の前に人が二人分座れそうな平らな石を見つけた。そこにゆっくり腰を下ろす。
一人になり冷静になっても泣きそうなまま。どうしても苦しさが収まらない。
先程の光景が甦り、じんじんする右手に目を向ける。
(叩いちゃった…)
あの人を本当に叩いちゃった。
ポツン…
ポツリ…
そう思った直後空から水滴が。
雨が降ってきたのに気付いたけど、微動だにできなかった。
…手がじんじんしてる。ただそればかりが気になって心が強く締め付けられる。
この痛みは母への怒り?
それとも罪悪感?