あなたと私と嘘と愛
(もう最悪だ…)
優斗にだって合わす顔がない。
絶対聞かれてた。
正直どこまでを聞かれてたか分からないけれど、母に言ったあの内容を聞かれたと思うと恥ずかしくてたまらない。
私の優斗への気持ち、それがバレてしまった以上もう今までのようには戻れない。
母に彼をちょうだいなんて非常識なことまで言った。
身勝手に別れてよ、なんて吐いて私はバカだ。
優斗は物じゃないのに。
彼の気持ちは彼のもの。無視して何やってんだろう私は。
(もう、消えてなくなりたい…)
ポツリポツリから本格的な雨に変わる。
寒さで手足の感覚がなくなってきた。意識も朦朧となる。
動けずにその場でうずくまる私は本当にどうしようもない。
「…報われない恋なんて辛すぎるよ…」
「それって誰のこと?」
ついに幻聴まで聞こえてきた。
私以外誰もいないはずなのに、頭上から声が。
ああ、そうか。私このまま死ぬのかな。
もしかしたらお迎えがきたのかもしれない。
だとしたら最後にもう一度だけ優斗に会いたい。