あなたと私と嘘と愛
「……」
思わず目を伏せ考える。
ちゃんと聞けるだろうか?
母との距離はずっと遠かった。けど今回のことでより離れてしまったようで苦しくなる。
あんな非常識な人だけど家族だと思ってた。
たった一人の、私の…
そう思ってたのは私だけだったんだと思い知らされる。
真由とはその後も一緒にいた。
お昼を食べて一息付いた頃優斗から着信があった。
少し躊躇いはあったけど、もしかしたら母が目を覚ましたとか緊急かもしれないと思い通話を押した。
「亜香里」
昨日とは違い穏やかないつもの声。
やっぱり母が今朝早くに目を覚ましたという内容だった。
色々と説明されてそれについてはホッと胸を撫で下ろす。
「昨日は…ごめん。とりあえず悠里さんの状態は安定したから大丈夫だと思う。それより亜香里は大丈夫?」
とても心配そうに聞かれ胸が苦しくなる。
「亜香里の声が聞けてホッとした」
それはこっちの台詞だよ…
たったこれだけなのに泣きそうになる私はやっぱり優斗という存在の大きさに気付かされてしまう。
「…優斗…わたし…」
「あれから真由ちゃんは来たの?」
「……ん」
「ご飯はちゃんと食べた?」
「……ん」
「なら少しは気分は落ち着いた?」
「……ん」
「じゃあ俺がいなくても大丈夫?」
「……っ…」
震える声を隠すように思わず手の甲を唇に当てた。
自分の意識と反するように涙がポロリと零れ落ちたけど、ばれないように必死で全身に力を入れる。
「俺から会いたいって言う資格はないから亜香里が俺に会いたくなったら言って?すぐに飛んで行くから」
「…つ…っ…」
涙がポロポロと止まらなくなった。
こんな言い方は…ずるい。
そんなこと言われたら一瞬でちっぽけな強がりなんて壊れちゃう。
ずっと耐えてたものが崩壊しそうになっちゃうよ。