あなたと私と嘘と愛
しーんと静まり会話がそこで中断する。
母はそれ以上言葉を話すことはなく、戸惑うばかりの静けさが。今二人がどんな様子なのかが当たり前だけど気になった。
(どうしよう…)
ここで然り気無く私が出ていくことはできないし、けれどこの場から去ろうという気にもなれない。
不安に思いながら次の進展を待っていると思ったよりもすぐ、母のため息混じりの言葉が耳に届く。
「…なまいき…」
そしてもう一度しっかりと、
「生意気ね。どうしてこの私が説教されなきゃならないのよ。あなたぐらいのものよ。私に向かってそんな口を叩けるのは」
「ふっ、腐っても一応夫ですからね。一言も二言も言う権利は十分にあると思いますけど?」
「不愉快だわ」
「それは困りましたね。けどまぁこれはあくまでも俺の意見なんで実際のところ亜香里がどう思ってるのかは分かりません。直接本人に聞くのが一番いいと思いますけどね?」
「そんなこと…」
「もし良かったら呼びましょうか?今ここに。すぐに連絡付くと思いますよ?」
そう言った直後椅子を引く音が聞こえ、ガタリと優斗がその場から立ち上がった気配を感じた。
…え、え?
そう思っているとすぐ突然優斗が私の名前を呼んだ。