あなたと私と嘘と愛
「寂しかった?」
「相変わらずですね、悠里さん」
あ、笑った。
思わず動きを止めてしまった。
いつも無表情で何考えてるのか分からない素振りなのに、それが驚くほど優しい笑顔になっている。
そんな顔もできるんだ…
そう思った時、母が優斗の頬に口付けをした。
「長い間会えなくてごめんなさいね」
「いえ、仕事は上手くいきました?」
「ええ、だから今夜は皆で食事に行こうと思ったの」
そして再び反対の頬にもキス。
私はギョッと赤面し、優斗はそれを黙って受け入れている。
なんて破廉恥な。
非常に居心地が悪い。仮にも娘の前だ。
イチャつくなら他で離れてやって欲しい。
顔を上げた優斗と一瞬目があってしまったけど、ハッとすぐに反らしてしまった。
「…あほくさ、勝手にやってなさいよ……」
ぼそり呟いて玄関の取っ手を掴む。
今度こそ出ようと思ったのに、母の声がまたしても阻止をする。