銀光のbreath 【番外編 追加完了】
「瑠衣、こんなとこで一人で泣くな。俺が由弦に怒られるだろうが」

あやすように優しく言って、抱きかかえながらあたしを一緒に立ち上がらせる。

「ごめ・・・」

声を詰まらせれば、スーツの胸元にぐっと引き寄せられてやんわり抱きしめられてた。

「・・・なぁ瑠衣。俺も大和(やまと)も、征一郎さんだってな、出来るなら由弦の代わりに手前(てめ)ェが死んでやりたかった。代われるものならっていまだに後悔しかねぇよ」

三年経って、初めて打ち明けられた洋秋の本心。
あたしは言葉を失くしてじっと聞き入った。

「・・・瑠衣がどれだけ苦しがってるか分かってたって、何もしてやれない手前(てめ)ェに腹が立ってしょうがない。みんな同じ気持ちだ。・・・すまない、瑠衣。お前を助けてやれなくて」

深い声だった。
色んなものを堪えたみたいな、静かに悲しい声だった。
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