銀光のbreath 【番外編 追加完了】
頭の中。カラダ中。由弦でいっぱいになる。
あたしだけを愛して、愛して、愛して、死ななきゃならなかった男の無念を思って、憎しみが膨れ上がる。

由弦を奪われた終わりのない嘆きのすべてを。
あたしは初めて、涙じゃなく怒りに変えて爆発させた。

力の限りに叫んで悔し涙を流した。

返して。
あたしの由弦を返して。

なんで、どうして、由弦が殺されなきゃなんなかったの。

「・・・やだよ由弦・・・、いっちゃやだ、由弦・・・、いかないでよおぉぉッ・・・っっっ」





あの日。
眠ってるみたいに動かない由弦にすがる自分が、いた。

今も。
すがりついたままの自分がいた。

もう。由弦はいない。
あたしの中にしかいない。

現実を生きてるようで。
ずっと。もうそこには無いものを抱きしめて、うずくまってた。



なんだかね。
ぷつん、て。
糸が切れた気がするよ、由弦。

塊を吐き出したら、カラダに穴が空いたみたいにガランドウだけど。
なにか答えが出たわけでもないけど。

すがりついて離れられなかった、何かから。
やっと自分で顔を上げられた。そんな感じ。



『しょうがねぇな』って。
『あんまり、ヒロさんの手ェ焼かせるな』って。

たまには怒ってよ、由弦?




洋秋の腕の中で絶叫して。ひどく疲れ切って、そのまま崩れ落ちたところまで憶えてた。
目が覚めたら、いつの間にか自分の家のベッドで。ヤマトに手を握られてた・・・・・・。



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