月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「だが、ネシャートと私は、永遠に結ばれる事はない。」
「ジャラールさん?」
「ネシャートは、同じ父を持つ妹だ。将来、同盟を組んでいる別な国から結婚相手を招き入れ、この国の王となる身だ。」
口元は笑っているのに、瞳は寂しそう。
「……ネシャートさんの病気が治らないと、ジャラールさん達の国は滅びてしまうんですね。」
「そうだ。我が母が生まれ育った国も、攻め滅ぼされた。母達一族の為にも、この国を滅ぼしてはいけない。」
ジャラールさんは、右手をぎゅっと握った。
「クレハ。もう少しで碧のオワシスに着く。やっと折り返しだ。」
「はい。がんばります。」
正直、碧のオワシスも知らないし。
宝石を貰える事もないし。
ジャラールさんは、ネシャートさんの事しか考えてないし。
私の得なんて、何一つないけど。
でもジャラールさんには、目的を果たして欲しい。
心からそう思った。
「ジャラールさん?」
「ネシャートは、同じ父を持つ妹だ。将来、同盟を組んでいる別な国から結婚相手を招き入れ、この国の王となる身だ。」
口元は笑っているのに、瞳は寂しそう。
「……ネシャートさんの病気が治らないと、ジャラールさん達の国は滅びてしまうんですね。」
「そうだ。我が母が生まれ育った国も、攻め滅ぼされた。母達一族の為にも、この国を滅ぼしてはいけない。」
ジャラールさんは、右手をぎゅっと握った。
「クレハ。もう少しで碧のオワシスに着く。やっと折り返しだ。」
「はい。がんばります。」
正直、碧のオワシスも知らないし。
宝石を貰える事もないし。
ジャラールさんは、ネシャートさんの事しか考えてないし。
私の得なんて、何一つないけど。
でもジャラールさんには、目的を果たして欲しい。
心からそう思った。