月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「紅葉は寝ているようで、違う世界に行っている。その間、脳みそは休んでいないから、いつもよりも眠気に襲われるはずよ。」

ときわに言われている隙に、私は生欠伸が絶えない。

「いつまでって……いつまでなんだ……」

光清が考え込む。

その間にコクっとなって、一瞬砂漠の世界が見える。


「紅葉!」

光清に起こされ、こっちの世界に戻ってきた。

「あっ……」

「危ない。」

そんな私と光清を見ても、ときわは冷静だ。

「そうやって紅葉が眠りそうになったら、起こし続けるわけ?」

「じゃあ、どうすればいいんだよ。」

半分逆ギレ気味な光清に、ときわは頭を抱えて考える。


「ずっと動き続けたら?」

「動き続ける?」

「立ちながらでも寝れるって言うけど、それって止まってるからじゃん。動きながら寝た人っていないでしょ。」

光清はポンッと手を叩いた。

「それ、いい。ときわ、頭いいな。」
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