月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「ラナー。」

私は彼女の背中をそっと撫でた。

「私をその地下牢に案内してくれる?」

「えっ?」

ラナーは驚いた顔で私を見る。

「お願い。伝えなければいけない事があるの。」

私は両手を合わせて、ラナーにお願いをした。


「分かりました。その代わり、私が案内したと言う事は、内密に願います。」

「……分かったわ。誰にも言わない。」

するとラナーは小さく頷いて、廊下の端をスルスルと走り出した。


何も言わずに急に?

胸の中で突っ込みながら、ラナーの後を追いかけた。

大きな廊下を渡り、小さな道に出ると、ラナーは壁の一部を取り外した。

「えっ?ここ!?」

「シー!秘密の抜け穴です。誰にも見つからずに、地下牢まで行けます。」

「はあ……」

そんな抜け道があるなんて、さすが宮殿。


そして私が抜け道に入ると、ラナーはすかさず入り口の扉を閉める。

用意周到。

それが彼女の第一印象になった。
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