月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
私は光清に悟られないように、ポケットに手を入れた。
あのペンダントがない。
「やっぱり、ダメだった。紅葉が言う砂漠の国なんて、夢すら見れなかった。」
「そう……」
図書室で緑のペンダントを見つけて以来、砂漠の国へ行けるのは、それのお陰だと思ってた。
でも違う。
緑のペンダントを持っていたからと言って、誰でもあの国へ行けるわけではない。
「だから、紅葉がその砂漠の王子様に出会ったのは、運命みたいなもので……」
「運命?」
私の体の中で、トクンと、何かが波打った。
「だから、その王子様とどんな運命になろうと、その……」
必死に何かを伝えようとしている光清。
私は持っていたパンフレットを、光清に投げつけた。
「うわっ!」
「ばーか!その王子様には、婚約者がいたのよ。私は振られたの!」
「うそ!」
「ホント!」
東寺の広い境内で、私と光清は、訳もなく走り回った。
あのペンダントがない。
「やっぱり、ダメだった。紅葉が言う砂漠の国なんて、夢すら見れなかった。」
「そう……」
図書室で緑のペンダントを見つけて以来、砂漠の国へ行けるのは、それのお陰だと思ってた。
でも違う。
緑のペンダントを持っていたからと言って、誰でもあの国へ行けるわけではない。
「だから、紅葉がその砂漠の王子様に出会ったのは、運命みたいなもので……」
「運命?」
私の体の中で、トクンと、何かが波打った。
「だから、その王子様とどんな運命になろうと、その……」
必死に何かを伝えようとしている光清。
私は持っていたパンフレットを、光清に投げつけた。
「うわっ!」
「ばーか!その王子様には、婚約者がいたのよ。私は振られたの!」
「うそ!」
「ホント!」
東寺の広い境内で、私と光清は、訳もなく走り回った。