月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「それがまずかった。お妃様を狙っていた隣国の王が、砂漠の中の宮殿を探し当ててしまったのだ。」
「えっ?」
「小国だったせいか、あっという間に攻め滅ぼされ、お妃様は連れ去られた。」
私は両手を口元に当てた。
「どうしてお父さんは、実家とは言え、小国の宮殿にお母さんを預けてしまったの?」
「小国ではあったが、砂漠の中に埋もれていた宮殿は、"幻の宮殿"と語り継がれていた。誰もその宮殿の姿を見てはいなかった。お妃様の一族はその中で、ひっそりと生き抜いていた。現王でさえこの宮殿を発見できたのは、奇跡だったのだ。」
「そんな!なぜその隣国の王は、幻の宮殿を見つけられたの?」
「わからない。一説には内通者がいて、その者が幻の宮殿まで導いたとも。」
私はスヤスヤと寝息を立てているジャラールさんを見た。
可哀想。
お母さんが連れ去られるなんて。
「それで?お母さんは救出されたの?」
「えっ?」
「小国だったせいか、あっという間に攻め滅ぼされ、お妃様は連れ去られた。」
私は両手を口元に当てた。
「どうしてお父さんは、実家とは言え、小国の宮殿にお母さんを預けてしまったの?」
「小国ではあったが、砂漠の中に埋もれていた宮殿は、"幻の宮殿"と語り継がれていた。誰もその宮殿の姿を見てはいなかった。お妃様の一族はその中で、ひっそりと生き抜いていた。現王でさえこの宮殿を発見できたのは、奇跡だったのだ。」
「そんな!なぜその隣国の王は、幻の宮殿を見つけられたの?」
「わからない。一説には内通者がいて、その者が幻の宮殿まで導いたとも。」
私はスヤスヤと寝息を立てているジャラールさんを見た。
可哀想。
お母さんが連れ去られるなんて。
「それで?お母さんは救出されたの?」