替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
重い心
「シャルア様、とてもお似合いです。」

「まるで女神さまのようですね。」



私の婚礼の衣装が出来上がった。
深緑色のシックな色合いのもので、それに合う色の宝石が裾と袖口に縫い付けられており、見た目以上に重いけど、さすがに私の体にぴったりだ。
オーダーメイドって、やっぱりすごいね。



こちらの準備はほぼ出来たけど、ヴァリアンからの報せがない。
まさか、まだどっちが結婚するか決まってないなんてことはないとは思うけど、何か、他に問題でも起きたんだろうか?って、陛下もご心配されている。



そう言えば、少し前にヴァリアンの魔法使いのおばあさんに会ったけど、それは、ルーサーさんがフェルナンさんの居所を探してるから、思い当たることはないか?って、そんな話だった。
私は、もしや結婚相手が決まったのか?って期待してしまったのに…



言って良いのかどうかわからなかったけど、私は、フェルナンさんの家を教えた。
庶民に変装して暮らされることがあるって言って。
きっと、ルーサーさんは、またフェルナンさんにシェザーの相手をして欲しいんだろうね。



もしも、結婚する相手がルーサーさんだったら、私も毎日、シェザーの相手をさせられるんだろうなぁ。
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